家族連れで東京から九州旅行を計画しているなら、お得に楽しめるフェリー旅はいかがでしょうか？
近年、関東エリアから九州へ向かう直行フェリー航路がますます充実しており、車ごと移動できる手軽さや、子どもが船内でのびのびと過ごせる快適さから、家族旅行の選択肢としても注目されています。
この記事では、関東発の主要フェリー航路や、家族にうれしい船内設備、所要時間や料金の目安、さらに早割・往復割引・ふるさと納税などのお得な活用術まで、わかりやすくご紹介します。
（写真はイメージ）
筆者：Ippon
添乗本数：約800本（国内・海外）
渡航国数：24か国
保有資格：総合旅行業務取扱管理者／総合旅程管理主任者
日本にある魅力と旅行をお得に手配するテクニックを記事にして発信中。
関東発の主要フェリー航路（九州行き）
現在、関東エリアから九州方面へ運航している主なフェリー会社と航路は次の2つです
関東発 → 九州行きの主要フェリー航路
■ 東京九州フェリー（横須賀港～新門司港）
神奈川県横須賀港と福岡県北九州市の新門司港を結ぶ新しい航路です。2021年7月に就航したまだ新しいフェリーで、 横須賀～新門司を約21時間で結びます。夜遅く横須賀を出発し、翌夜に九州へ到着するスケジュールで運航されています。
■ オーシャン東九フェリー（東京港～徳島経由～新門司港）
東京（有明）と北九州（新門司）の間を徳島港経由で結ぶフェリーです。東京～徳島～北九州の三地点を 4隻の船で運航しており、東京から九州までは 2泊3日（約34～36時間）かかります。途中、徳島港で停泊・乗下船が可能で、四国観光を挟むこともできます。
どちらのフェリーもマイカーやバイクを載せて行けるカーフェリーで、運転をお休みしながら九州まで移動できるのが魅力です。
東京九州フェリーは直行で所要約21時間、オーシャン東九フェリーは徳島経由で所要約34時間と、時間はかかりますが「船旅そのものを家族で楽しめる」のがフェリー移動の良いところですね。
フェリー船内のサービスと家族向け設備
フェリー船内には、長時間の旅でも家族が快適に過ごせる工夫がたくさんあります。特に2021年就航の東京九州フェリーの船内設備は充実しており、以下のようなサービスが利用できます。
小さなお子さま連れにも安心！家族で使える個室客室
フェリーと聞くと「雑魚寝の大部屋かな…」というイメージを持つ方も多いかもしれませんが、実は最近のフェリーには家族で安心して過ごせる個室タイプの客室がしっかり用意されています。
たとえば東京九州フェリーでは、旅のスタイルや家族の人数に合わせて選べるように、
「スイート」「デラックス」「スタンダード（ステート）」といったランク別の個室があります。どの客室もプライベート空間がしっかり確保されており、他の乗客と一緒になることがないので、まるで船の上のホテルのような感覚で快適に過ごせます。
一方、オーシャン東九フェリーでも2名用・4名用の個室が用意されていて、家族旅行にぴったり。しかも、未就学のお子さまがいる場合には、定員を超えて床に寝具を敷いて添い寝することも可能です。
「子どもが泣いたらどうしよう」「夜中に起きてしまったら…」と心配なパパママも、個室なら周囲に気兼ねなく過ごせるので安心。長時間の船旅でも、家族だけの空間があるだけで疲れ方が全然違ってきますよ。
家族で楽しめる！船内レストランと食事サービス
長時間の船旅で気になるのが「食事」。でもご安心ください。フェリーの中には、しっかりとしたレストランや売店が完備されており、朝・昼・晩と船内で美味しい食事を楽しめます。
レストランはカフェテリア形式になっていて、和食・洋食ともに種類が豊富。定番のカレーやうどん、唐揚げ定食から、日替わりメニューまでバラエティに富んでいるので、家族みんながそれぞれ好きなものを選べます。
小さなお子さま向けには、なんと**人気キャラクターが描かれたキッズ用のカトラリー（食器）**も用意されています。かわいいお皿やスプーンに、お子さんのテンションも上がること間違いなし。旅先での食事が、ひとつの楽しいイベントになりますね。
また、レストラン以外にも売店や自動販売機があるので、おやつや飲み物を買いたいときにも困りません。ふとした時間に家族でアイスを分け合ったり、船内限定のお土産をチェックしたりするのも旅の楽しみのひとつです。
海を眺めながらほっとひと息。展望大浴場＆露天風呂
長時間の移動でちょっと疲れてきたな…というタイミングにうれしいのが、フェリーに備え付けの展望大浴場や露天風呂。
大型フェリーならではの開放感あふれるお風呂で、旅の疲れをゆっくり癒すことができます。
特に東京九州フェリーには、海と一体になったような開放感抜群の露天風呂があり、乗った人からも大人気。
目の前には水平線が広がり、航行中にゆらゆらとお湯が揺れる感覚はまさに“海の上のお風呂”。波が少し高い日は、お湯がプールのように波打って、子どもたちが大喜びで遊んでいたなんて声も聞かれます。
昼間に入れば青い空と海、夕方ならサンセット、そして夜は星空と、時間帯によってまったく違う表情を見せてくれるのも魅力のひとつ。
「旅の途中にお風呂なんて贅沢…！」と思われるかもしれませんが、フェリーならそれが叶っちゃうんです。
家族みんなで入るお風呂タイムは、船旅ならではの思い出の1ページになること間違いなしです。
退屈知らず！船内のキッズスペースで思いっきり遊ぼう
長時間の船旅で、子どもが退屈してしまわないか心配…という方も多いかもしれません。
でもご安心を。最近のフェリーには、子どもたちが自由に遊べるキッズスペースがちゃんと用意されています。
たとえば東京九州フェリーの「それいゆ」には、壁にひまわりのイラストが描かれた明るくて可愛らしいキッズルームがあります。航行中、ここで遊ぶのが子どもたちの楽しみのひとつ。
おもちゃがたくさんあるわけではありませんが、空間そのものが柔らかく安心できる作りになっていて、兄弟でかけっこしたり、ぬいぐるみと過ごしたりと、思い思いに楽しめます。
また、オーシャン東九フェリーにもクッション素材で囲まれた安全なキッズルームがあり、DVDプレーヤーで映像を流すことも可能です（※DVDソフトは持参）。お気に入りのアニメを流しておけば、あっという間にご機嫌になるかもしれませんね。
子どもが身体を動かせる場所があるだけで、親も本当に助かるもの。
船旅の時間が「退屈」ではなく、「楽しい！」に変わる素敵な空間です。
このように、フェリーは単なる移動手段というより「船の中も旅行の一部」**として楽しめるのが魅力です。
子供たちは普段と違う船上生活に大はしゃぎで、甲板から海にお気に入りのぬいぐるみを見せてあげる微笑ましいシーンもあったようです。
大人にとっても、運転の疲れや長時間座りっぱなしのストレスが無く、移動中にお風呂に入ったり食事をしたりできるのは嬉しいポイントですね。
フェリー料金の目安と家族連れに嬉しいポイント
フェリーの運賃体系は乗船人数（大人・小人）と客室クラス、そして車両の有無とサイズで決まります。
家族旅行の場合に知っておきたい料金のポイントをまとめます。
フェリー料金と家族に嬉しい制度
■ 小児運賃・幼児無料の嬉しい制度
フェリーでは小学生以下の子供は 小人運賃（大人の半額）が適用されます。 さらに嬉しいのは、未就学の幼児は大人1名につき1名まで運賃無料（添い寝）という制度があること。 例えば幼児と添い寝する場合、その子の乗船料金はかからないため、子だくさんのご家庭にはとてもありがたい仕組みです。 （※ベッドや布団を個別に使う場合は小人料金が必要です）
■ 大人運賃と客室料金
基本の大人運賃は2等船室（相部屋）で、東京九州フェリー（横須賀～新門司）の場合、 通常期で大人1名あたり約12,000円前後が目安です（小学生は約6,000円）。
個室を利用する場合は部屋ごとに追加料金がかかり、
・スタンダード個室（ステートルーム）：約32,000円／1室
・オーシャン東九フェリーの4名個室：約20,000円前後／1室
※いずれも時期や空き状況により変動します。
家族4人で使えば、1人あたり数千円程度の追加でプライベート空間を確保できます。
■ 車両航送運賃（マイカーを載せる場合）
車両の運賃はサイズによって異なり、
・乗用車（5m未満）：約40,000円／片道
・軽自動車（3m未満）：約30,000円前後／片道
大きなミニバンなどは5m超となり追加料金が発生します。
車両運賃には運転手1名分の2等船室料金が含まれているのが一般的です。 同乗の家族分は別途必要になりますが、現地でのレンタカー代が不要になるのは大きなメリットです。
■ 総額の一例（5人家族・車あり）
例えば、大人2名・小学生1名・幼児2名＋乗用車1台で、東京九州フェリーの往復＋個室を利用した場合、
・片道 約102,000円
・往復 約204,000円（大人2名分運賃＋小学生半額＋幼児2名無料＋車両運賃＋個室料）
という試算になります。
これに現地宿泊費を加えると、新幹線往復＋レンタカー手配とほぼ同程度か少し高めになる場合もありますが、
「移動＝滞在」になる快適さや、現地でも自家用車を使える利便性を考えると、非常に魅力的な選択肢です。
また、家族連れに嬉しい特徴として、フェリー旅は移動時間が長い代わりにその間に子供が自由に動き回れたり、親もリラックスできる利点があります。
例えば「子供のおむつ替えや授乳をしている間も目的地に向け進んでくれる」ので、子育て中のパパママにとって非常にありがたい移動手段との声もあります。
座席にじっとしていなくてもよく「船内で寝たり遊んだりしている間に着く」という感覚は、小さなお子さん連れには大きなメリットですね。
お得に乗るための予約方法・割引情報
フェリー旅を計画するなら、ぜひ活用したい割引制度やお得な予約方法があります。
早めの予約やセットプランで家族旅行の費用を節約しましょう。
フェリーをお得に乗るためのヒント
■ 往復割引の活用
フェリー各社とも往復利用で復路運賃が10%割引になる制度があります。 東京九州フェリーでは往路乗船時までに復路分を購入することで、復路の旅客運賃・客室料金・車両運賃がすべて1割引に。 オーシャン東九フェリーも同様に、往路乗船日から2か月以内の復路なら10%オフが適用されます。
家族全員分ともなれば割引額も大きくなりますので、往復一括予約がおすすめです。
■ 学割・シニア割引制度
学生がいるご家庭は学生証提示で20%割引が受けられる学割制度を活用できます（東京九州フェリーなど）。 また、障がい者手帳をお持ちの方には専用の割引制度があり、シニア向けの特別割引も航路によって設定されています。 対象となる方がいれば、事前に条件を確認しておくとよいでしょう。
■ 早期予約割引・WEB決済割引
大型フェリーでは早期予約による割引（早割）が設定されていることがあります。 オーシャン東九フェリーでは、乗船前日までにウェブで決済を行うと、大人990円・小人550円引きといったお得なキャンペーンを実施中。 キャンペーン内容は時期によって変わるため、最新情報は各社の公式ページで要確認です。
■ 公式旅行パックの活用
フェリー会社が提供するお得なパック旅行も見逃せません。 東京九州フェリーでは、自社グループの旅行会社「ヴィーナストラベル」が企画する、 フェリー往復＋現地ホテル宿泊のセットプランを販売中。
例えば「九州トクトクドライブパック」では、横須賀～新門司の往復フェリー（個室）＋北九州のホテル1泊で約112,000円（大人2名＋乗用車）と非常にお得。 片道だけの「北九州片道プラン」も用意されており、旅程に合わせて選べます。 車両航送運賃や船内クーポンなどが含まれているのも嬉しいポイント。
パックの予約は、電話予約なら出発の14日前まで、Web予約なら出発の7日前までと余裕がありますので、計画段階での活用がおすすめです。
■ 大手旅行会社ツアーの利用
クラブツーリズムなどの大手旅行会社では、フェリー往復を含んだ観光ツアーも企画されています。 観光バスや宿泊がセットになっているため、自分で細かく手配する必要がなく、旅行初心者やご年配の方にもぴったり。 自家用車を持ち込まないプランであれば、団体割引が効いたお得なツアーとなる場合もあります。
※予約時のワンポイント：繁忙期（お盆・年末年始・GWなど）は運賃が上がりやすく、個室も埋まりやすいです。
反対に平日や学校休みでない時期は料金が抑えめになります。
家族旅行の予定が決まったら早めに予約し、公式サイトをこまめにチェックしてお得なプランを見逃さないようにしましょう。
ふるさと納税でフェリー旅！？お得な活用術
最後に少しユニークな節約術として、ふるさと納税を利用してフェリー乗船券を入手する方法をご紹介します。
自治体によっては寄付のお礼にフェリーの旅行クーポンを提供しており、上手に使えば旅費の一部を実質タダにできるかもしれません。
※ふるさと納税の制度上、寄付額のうち自己負担2,000円を除いた金額は住民税等から控除されます。上限額内で寄付を行えば実質2,000円の負担で返礼品を受け取れる仕組みです。
実は知らない人も多い？フェリー旅行に「ふるさと納税」を使う裏ワザ
「フェリー旅ってちょっと憧れるけど、家族で行くとなるとそれなりに費用もかかるしな…」
そんなふうに思っている方に、ぜひおすすめしたいのが ふるさと納税を使ってフェリー旅行の費用を浮かせる方法です。
たとえば神奈川県横須賀市では、東京九州フェリー（横須賀～新門司）とホテル宿泊がセットになった旅行商品に使えるクーポンを、ふるさと納税の返礼品として提供しています。
具体的にはこんな感じです：
- 寄附額40,000円で 1万円分の旅行クーポン
- 寄附額80,000円で 2万円分の旅行クーポン
このクーポンは、東京九州フェリーの横須賀支店での予約時に利用できます。自己負担はたったの2,000円だけ。つまり、実質2,000円で1～2万円分の旅費が浮く計算なんです。
使い方はとっても簡単！
フェリー旅行クーポンの使い方（ふるさと納税）
- 楽天ふるさと納税などのポータルサイトで、横須賀市の「フェリー旅行クーポン」を選んで寄付
- 数日後、自宅にクーポン券や案内資料が届く
- 案内に記載された旅行会社に連絡してフェリープランを予約
- 当日、クーポンを使ってお得に家族旅行へ！
所得税・住民税の控除も受けられるふるさと納税は、旅行を賢く楽しむ強い味方です。
クーポンは数に限りがあるので、気になる方はお早めに！
寄付額のうち、2,000円を除いた分は税金から控除されるので、節税と旅行を両立できてしまうのがふるさと納税のすごいところです。
北九州市など他にもあるフェリー系返礼品
ちなみに、他の地域でも同様の返礼品があるのをご存知ですか？
たとえば福岡県北九州市では、名門大洋フェリー（大阪南港～新門司港）＋ホテル宿泊のセットを返礼品として提供しています。関西発の方にはこちらもおすすめ。
「フェリー ふるさと納税」などで検索すると、全国各地のユニークな旅行系返礼品が出てきますよ。
「税金で旅する」新しい家族旅行のかたち
ふるさと納税は、使い方さえわかればとてもお得な制度です。
どうせ払う税金なら、家族旅行の思い出に変えちゃいませんか？
いつか行きたいと思っていたフェリー旅も、
ふるさと納税を使えば、グッと現実的に。
ちょっとした裏ワザを使って、楽しくお得に旅をはじめましょう。
「やってみたいかも…」と思った今が、きっとそのタイミングです！
いかがでしたでしょうか。関東発のフェリー旅は、移動そのものを家族の楽しい思い出に変えてくれる魅力があります。
まとめ
🚢船上で過ごす21時間は最初は長いように感じるかもしれませんが、「非日常の船旅」は子供にとって大冒険、大人にとっても日頃の忙しさを忘れるリラックスタイムになるはずです。
到着地の新門司港は北九州・福岡エリアへの玄関口で、車で関門海峡を渡れば山口県方面へ足を伸ばすこともできます。
ぜひお得なプランを上手に活用して、家族みんなでフェリーの旅を満喫してくださいね。九州の雄大な景色とともに、皆さんの旅が素敵なものになりますように！🌈
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